昔、塗装職人の間では、塗装屋を「とろや」と呼んでいました。これは全国的に使われる業界用語で、他の人に聞かれると困る内容の話をする際に使われていたようです。
最近ではあまり耳にしなくなり、時代の変化を感じています。
私が塗装業をはじめた頃は、新築工事では大工職人と塗装職人がいれば家が建つと言われていました。
大工は「モノ」を扱い、塗装は「液体」を扱うというイメージです。塗装作業は、大工作業と同様に幅広い技術が求められ、装飾においても重要な役割を果たしています。
また塗装は古来より続く日本の伝統的な技術です。とくに塗料になる「漆」は「Japan」と英語で翻訳され、今でも塗師(漆を専門に扱う職人)によって神社仏閣や国宝の修復に用いられています。